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体育館の特設ステージに立った杜若、彼女の前に現れたのは砲身とキャタピラを備え付け、重厚な音を響かせながら移動する鉄の塊(俗称戦車)だった。
「審判!これは反則では無いのですか!明らかに乗り物ではないですか」
《一応参加資格は満たしています、戦車ではなく空気砲実装型機動兵器です》
「そうだ、時空と空間の管理者よ。一応参加資格は満たしているし、死人も出てない」
《そんな訳なので両者試合開始!》
「砕け散れ、時空と空間の管理者!」
重々しい機動音と共に空気が割れるような音が体育館に響きわたったかと思うと杜若は自分の居た位置の真後ろの壁にめり込んでいた。
「痛い!全身がメキョってなった!」
「管理者よ、速いところ負けを認めねば病院行きだぞ」
壁を力強く蹴り戦車を一撃殴ってみる、少しへこんだだけで目立った外傷は無い。
「私の主兵装の拳が効かない!当たり前だけど」
「無駄だ!動き出したこいつをその程度の攻撃で破壊するのは不可能だ」
たしかに通常の戦い方では勝利できない、相手が初弾を撃つ前に一番装甲の薄い部分に一撃かまさないと。
「ならばあなたが動き出す前まで戻って叩き潰すまでです」
会場から笑い声が上がる、そのような事は不可能だと
「いきますよ、クロノスドライブ発動!」
空間に時計をモチーフにしたと思われる光の輪が複数現れ、会場にいる全員がその不思議な光景に絶句した。その直後に会場は青い光につつまれた、そして審判と風祭が言う。
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