物語の幕開け

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  「外の空気を吸って来てもいい?」 私がベッドから下りようとしたら、男はすかさず手を貸してきた。 「気をつけて。僕も一緒に行こうか?」 私は首を振って王子──の申し出を断った。一人で行きたいの。 「そうか。なら、扉の外まで送るよ。僕は夕飯でも作って待っている。もし道に迷っても迎えに行くから心配ないよ。」 最後の言葉が気がかりだ。まあ気にしない。 「私はどこへ戻ってくればいいの?」 「この教会に戻っておいで。ここの地下はちゃんと住めるようになっているんだ。」 すごいな。今すぐにでも見てみたい気もするけど、後にしとこう。 暗くなってから外を探索するのは怖いし。電気のある教会の探索を後回しにしたって何ら支障はないだろうから。 私は王子に見守られながら扉の外へと足を踏み出した。  
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