少女の目覚め

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  しばらくは世間話程度の他愛もない話で盛り上がっていた。 私の長所は、人見知りをしないとこだとよく言われる。 そんなとき私はふと気づいた。 こんな早朝から郵便局に何の用があるんだろう? まだ郵便局が営業する時間ではないはず。 そう思った時、途端にこの男の人が不審に思えた。 私はなるべく笑顔で振る舞うが、警戒を秘めたこの瞳はもしかしたら伝わっていたのかもしれない。 こっちです、なんて誘導しながら無意識に人通りの多い道へ出ようとする私。 だって私がいつも通るこの路地は、朝なのにあまりにも人がいないから。  
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