少女の目覚め

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  「もうすぐ郵便局着きますよ。早く歩かないと私も遅刻しちゃうかも。」 この時、私の心情はまだ恐怖心ではなかった。ただの警戒心だった。 警戒心をごまかしつつも、早く人通りの多い道に出れるよう歩測を早める。 私の必死さが伝わってしまったのだろうか?ふいに、男の人の口角が上がった。 だけどそれは少なくとも、「僕は何もしないからそんなに警戒しないで」と言う類の笑みではなかった。 私の勝手な判断かもしれない。 だけど私の瞳に映った彼の笑みは、「僕は君に何かをするかもしれないから気をつけて。」というような忠告混じりのものであると。 そう思った。  
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