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「朝倉くんに聞きたい事があるの。なんでそんなに冷静なの?」
なんでだろう――なんて悩む必要なんか無いだろう?
答えはいつでも僕という存在の根底にあったじゃないか。なんで忘れてたんだろう。そうさ。僕は――
「……もしかしたらこういう状況を望んでいたのは僕かもしれない。アイドルキュアリアシティー……つまり知的好奇心だよ。ルールが嫌で縛られたくなくて刺激が欲しくて。この状況が僕には楽しくて仕方ないんだ。なんの刺激もない世界とは違う。だから僕は望んでいたのかもしれない」
猫のような大きな瞳がこちらを睨みつける。判断分析中。そんな真偽の視線という名の槍が突き刺さる。
「――なにを望んでいたの?」
「いつか腐った秩序を破壊してくれる人が僕を救ってくれるのを、さ」
そして僕はまた意識を失った。今度はハッキリと捉えていた。スタンガンが首に当てられたのを――
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