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「っと。こんな物ですかね?」
「ほっほぉ~う。めちゃくちゃ上手いじゃねぇか!」
「そ、そうですか?」
照れくさそうに頬を掻くルカが描いたのは、豊かな都会の街中を普通の格好で歩く自分たち3人の夢のような普通の生活風景だった。
短時間で描いたとは思えないその完成度の高さにフォルスとタミーは感心するしかなかった。
「もうお前は画家決定! てか、絶対なれ!」
豪快に笑い飛ばしながら、自分の頭を何度もポンポン叩くタミーにルカは堪らず頭を両手で守る。
「じゃあ、今度は、た、タミーさんの夢は何ですか?」
「そんなもの決まってるぜ! 綺麗なねーちゃん囲んでウハウハな毎日を過ごすことだ!」
「なんというか……タミーは欲求に忠実だな……」
燃えるような大いなる野望を言い放つタミーにフォルスはどう言っていいのかわからず、困り果てた表情を浮かべていた。
「男として当然の夢だ! なら、フォルスの夢は何なんだ! 言ってみろいっ!」
ずびしっ!とタミーに勢いよく指差されたフォルスはたじろぎながらも笑い返した。
「そうだな……俺の夢は」
『フォルスーーーーっ!! どこにいるーーーー!?』
フォルスの声を掻き消したのは耳障りな怒鳴り声──奴隷小屋の家主デフの声だった。
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