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異種族の王を倒した二人だったが≪正義の守護神≫と呼ばれる事になる青年は、その戦いで力を使い果たし死んでしまった。
そして、後に≪正義の番人≫と呼ばれる事になる少年は、イーストブルーと呼ばれる海のそばの崖に墓を作り、正義の守護神と異種族の王を隣同士に葬った。
それから、仲間を集めて≪大地の守護者≫と呼ばれる組織を作り、七人の強大な魔力と平和への強い意志を持つものを選んで、組織の長とした。
この七人は後に≪七帝≫と呼ばれるようになった。
≪大地の守護者≫は、各地で続いていた小規模の戦闘に介入しては平定し、難民の保護、イブリース各地に出没する強力な魔物や獣の討伐など、戦争によって機能しなくなっていた各国の政府に変わって、戦後復興に尽力した。
そんな組織を作った≪正義の番人≫は、組織を作った後まもなく姿を消し人前に姿を現すことは無かった。
そして、五年の月日が流れた……。
イブリースには、七つの大陸がある。
中央大陸と呼ばれる大陸は、その中でもっとも大きな大陸である。
その中央大陸の東側、大きな山脈に、三方を囲まれた所に≪ウィンフォード王国≫はある。
ウィンフォード王国の東側の山脈を越えると、≪ブラックラグーン≫と呼ばれる小さな海がある。
その海を越えると≪東の国≫と呼ばれる小さな島国があり、さらに東には≪イーストブルー≫と呼ばれる大海が広がっている。
ウィンフォード王国の北、西、南には、ウィンフォード王国を囲うように、特別強力な魔物が多く生息する、≪ドラゴン山脈≫≪死の山脈≫等と呼ばれる山脈が半月状に広がっている。
その山脈の北側には海を挟んで、氷に閉ざされた大陸があり、西側には、いくつかの小さな王国からなるヘシュボン連合国がある。
山脈の南側には、古くから獣人の一族が国王を勤める≪アルベルト王国≫があり、多くの異種族が生活している。
ウィンフォード王国は戦前まで単一種族主義の国で、異種族を排除していた。
しかし戦後は、積極的に異種族を受け入れ、平和的共存を目指す、多種族国家へと変わった。
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