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私の名前は、伝説の美と芸術の都“パリス”よ!
―― 番外編 「ロザリオの憂鬱」 ――
<どうする……どうするロザリオ>――ロザリオの心は激しく乱れていた。
無礼な、あの仏頂面や、エルフ、能天気そうなあの男も許せないが、ロザリオが心を乱している一番の原因はシルフィだった。
何も公衆の面前で怒られたからではない。
あの初めてシルフィ様とお会いしたあの日――白く綺麗な肌、吸い込まれるような瞳、美しいその姿――そんな情景が、ロザリオの心を締め付けた。
<自分は姫様に嫌われたかもしれない>そんな思いが脳裏をよぎる。――なにより自分は一生姫様の傍に置いてもらえないカモシレナイ。
しかし、自分はあの日誓ったのだ!姫様を一生お守りすると――そして、姫様は「許す!」と言って下さった。
なによりあの三人はだれだ!?――あれでは自分の居場所がないではないか!――せっかく同じ学校に通っているというのに……。
「これはこれは!ロザリオ様ではないですか!?」
――うるさい!お前等に構っている場合ではない!――「んっ!?」
「これは、ティトリオス家とスターナー家のマーク君にマリオ君じゃないか!」
「覚えていただいているとは光栄です!」
「なに、君たちの父君には世話になっているからな!」
「いやっ、こちらこそ!ロザリオ様であればやはりSEEDを取得されるのですか?」
――うるさい!余計なお世話だ!余計なおべっかを使うより早く立ち去れ!――
「まっまあな……」
「とゆうことは、卒業後は王宮騎士団ですか!?さすがロザリオ様!」
「当たり前だ!」
――んっ!?待てよ……王宮騎士団か……。
「オホン!ところでこの学園には確かウィンフォードの貴族の御曹司諸君が沢山いたねぇ?」
「ロッ、ロザリオ様?はぁ、大勢いますが。」
――あるっ!あるではないか!姫様に見直され、なおかつ常にお傍に居られるナイスな方法が……。
「マーク君、マリオ君!至急、各貴族の御曹司諸君を集めなさい!」
「ロッ、ロザリオ様!?何か問題でも!?」
ロザリオは眼をキラリと光らせて答えた。
「なに……ちょっとした作戦会議だよ。急ぎたまえ!」――あぁ姫様、今お傍に行きます!
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