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「糞がッ!」
タクヤンには類い稀なる生存能力があった。
だからこそ先ほどの新道による奇襲から辛うじて逃げるきる事ができた。
「来るなら来いや!」
タクヤンは近くにあった木の破片を手に取り、それをゴブリンへと向ける。
「!」
それが幸いした。
ゴブリンはその様に警戒し、一時的にその場に立ち止まる。
「花水逃げろ」
「え?…」
「なんだかんだ言っても負傷は免れへんと思う。こんなものじゃ数分しかもたへん」
「駄目だって!だったら僕も闘うしさ!それなら」
「逃げろ言うとんや!」
いつも花水に優しく接していたタクヤンもこの時ばかりは凄い剣幕で告げる。
「ひっ…」
花水は剣幕に押され、この時ばかりは成すがままに逃げる事を選択しようとするが
「アヂケヨズ!」
「!?」
刺突音が鳴り響いた。
「ウギッ!」
「ヘゲッ!」
2匹のゴブリンは複数の鎧を着た兵士達に一斉に剣で刺し殺され、その場に横たわる。
「え…?」
それは正しく映画で見るような、重武装の甲胄を身に付けた兵士達だった。
…人間なのだろうか
眉と目の堀の深い、本当に映画に出てきそうな複数のアメリカ人のような連中が、ここぞとばかりに二人の元へ集まってくる。
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