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「なあ。俺、犬飼いたい」
俺のその一言で今日は外出決定。目的地はもちろんペットショップ。
どうして俺が犬を飼いたいなんて思ったか。経緯はとても簡単。獅毅の部屋で動物を取り扱ったテレビを見ていて、そこに出てきた子犬がかわいかったから。以上。
幸い清華の寮はペットOKなので、犬や猫を飼っても問題はない。実際一ノ瀬先生も狼犬を飼っているしな。
で、下見にやってきました。ペットショップに。
俺たちが来たペットショップは広い。とにかく広い。かなりの数の犬、猫などがいて、外にはドッグランもある。あとは気に入った犬たちと遊んでみることができるスペースもある。下見には打ってつけだな。
「うわー……やっべ。超かわいい」
ガラスにべったりくっついて、子どものように中にいる柴犬の子犬を眺める。モコモコしてて、丸っこい。
隣のケースにはミニチュアダックスフントの子犬。短い足で歩く様子がなんとも愛らしい。
さらにその隣はシベリアンハスキー。おっきくなったら凛々しくかっこよくなるんだろうなあ。今はまだちっさくて、つぶらな瞳が「なんか用?」とばかりに俺を見ている。
「獅毅!獅毅!どうしようっ?俺、迷う。みんなかわいい!みんな欲しい!」
「全部は無理だろう。どう考えても」
冷静なツッコミ、どうもありがとう。とても現実的でありますね。
つーかわかってるよ。そのくらい。だからどの子にしようか迷ってるんじゃないか。
むっと眉を寄せれば、眉間に寄った皺を解すように親指で撫でられる。
「だったら子犬と遊んでみたらどうだ?」
「遊ぶ!」
獅毅の提案にソッコーで飛び付く。態度や表情をコロッと変えた俺に、獅毅は苦笑しながら店員のところへ連れてってくれた。しかも俺が子犬と遊びたいということも店員に全部伝えてくれた。
るんるん気分で足取りも軽く子犬たちと遊べる部屋に向かう。後ろから獅毅もゆったりと歩いてついてくる。俺のはしゃぎぶりとは正反対の落ち着いた様子だ。
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