Him who does rare action.

4/16
前へ
/47ページ
次へ
話を戻すが、後継ぎである俺には女たちが秋波を送ってくる。それが鬱陶しい。 パーティーに招待された人の中で娘がいるところはかなりの確率で連れてくる。娘の次に多いのは姪だな。俺に紹介するために。あわよくば俺に気に入られ、将来鳳家に嫁がせたいがために。 俺にはもちろんその気はない。にも関わらず何度もアタックしてくるところが多いのは、俺個人よりも鳳という名前と繋がりが欲しいということなんだろう。 これがあるから俺はパーティーが嫌いなんだ。出席しなくていいなら極力出席しない。 だが今回は両親の結婚二十周年の記念パーティーだ。息子の俺が欠席だなんてことあってはならない。 渋々出席すれば案の定次々と娘や姪を紹介しにくる。中にはまだ小学生になったばかりだろうという娘を紹介しにくるところもある。幼い娘を一体なんだと思ってるんだと嫌悪感を抱くが、親父が呼んだ大事な客だから邪険に扱うこともできない。 両親と会話をする暇も、食事をする時間もないほど女の相手ばかり。気ばかり使って、神経すり減らして一体なにをやってるんだと思ってしまう。 媚びを売る女たちが途切れたときに、脳裏にちらつくのは銀色の髪の男の姿。 早く帰って会いたいな……。 パーティーが終わるまでの間、何度も何度もそう思った。 .
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4378人が本棚に入れています
本棚に追加