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「し、き……ここで、すんのか……?」
「嫌か?」
「嫌じゃない、けど……。先にシャワー、浴びてこいよ」
「シャワー?汗くさいか?」
聞くとふるふると横に首を振る。
汗くさくないならなんでシャワー浴びろだなんて言うんだ?今までだってセックスの前にシャワーを浴びないこともあった。だからシャワーを浴びろと言ったなにかしら理由があるはずだ。
そう思って聞いてみると、若干の間のあと俺の視線からできるだけ逃れるように顔を横に向けて、口を開いた。
「……獅毅から獅毅じゃない匂いがするから嫌だ」
赤い顔で、でも眉を寄せて不機嫌そうにむすっとした表情で。
かわいい嫉妬に思わず笑みが零れる。
恐らく女の香水の移り香だ。俺の鼻は既に麻痺していて匂いはわからないが、あれだけの女の相手をすれば移っていても不思議ではない。
「なに笑ってんだよ!俺は真剣なんだぞ!」
笑ったことで馬鹿にされているとでも思ったらしい。俺を下から睨み付けてくる。さっきまでのキスの余韻で涙で潤んだ目で。
俺は何度も潤んだ目で睨んでも逆効果だと教えたはずなのに、こいつはいつも睨んでくる。わざとそうしてるならまだいいが、美咲の場合無自覚だから質が悪い。
「わかった。シャワー浴びてくる。でもその前に、このままだとお前が辛いだろうから、一回抜いてやるよ」
「んあっ!」
ぐっとチノパンの上から膨らんだ部分を強めに押す。跳ねた体を見て、クスクスと笑った。
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