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138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/21(月) 02:55:01.31 ID:VChTQ2ad0
人間の絶望を編みこんだかのような螺旋型のジャングルジム。
その最上部で黒いマントを翻すジョルジュ。
肩にかかった獣の毛皮が彫りの深い顔を縁取り、暗い影を落としている。
その表情はまさに地獄に愛された者の持つそれであり、
昼の日差し、小鳥のさえずり、近隣の集合住宅の主婦達の好奇の視線にすら
惑わされるものではなかった。
_
( ∀ )「………」
彼はなにを思っているのか。
自分を追放した楽園(エデン)への恨みなのか。
引き離されてしまった、かつての恋人への恋情か。
恋焦がれた二つの柔らかな丘へ登ることはもう許されない。
ならば、壊してしまおう。
なにもかも。
今、自分を包んでいるもの全て。
そう、彼はまさに堕天使だった。
ついに主婦達の手が携帯電話に伸び、
その指が1・1・0という悪魔の数字を押さんと蠢いた時。
それはきた。
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/21(月) 02:59:05.83 ID:VChTQ2ad0
(´・ω・`)「そんな事はさせないぞっ!!!」
('A`)(´・ω・`)( ´_ゝ`)(´<_` )『とうっ!』
地をなめる4つの影。
空だ。
まるで彼らのために用意されたかのような
バベルの塔を思わせる美しいブランコが、その力を最大限に発揮し
4人の天使を空へと舞い上がらせた。
どこからともなく真紅のバラの花びらが散り惑う。
一人の天使が主婦の持つ携帯電話を叩き落した。
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