第十二章

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沢山の出逢いが ありました。 誰もが笑顔という仮面を身につけ 誰もが心で泣いていました。 その涙が溢れ出した時 ひとつ、ふたつと 欠片は割れてしまったのです。 頂点に立った時 刻まれた名前を見てあなたを思いました。 今も彼女は膝を抱えて泣いているのでしょうか? 彼女たちは 今も帰らぬ人を待ちながら夜を越えているのでしょうか? 幸福の石を身に着け身を守る為、嘘で固められた私が一番弱虫でした。 二度と逢うことのできないあなたへ。 元気ですか? 笑っていますか? いま幸せですか? あなたに出逢って 愛を知りました。 あなたに出逢って 生きる意味を知りました。 あなた達が 教えてくれました。 あの日、あの時 あなた達が残した言葉。 その本当の意味が 今なら分かるよ。 だから書けたの。 頑張るのは苦手だけどいつか頑張りたくても頑張れなくなるその日が来るまで進み続けようと思うの。 時々止まりながらでも 少しずつ…少しずつ。 それが二度と逢えない人たちとの約束だから。 **R** 《END》
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