第二章

2/36
112人が本棚に入れています
本棚に追加
/487ページ
圭介は何も言わず、ずっと頭を撫でてくれた。 大きな手が心地よく涙が引いていく。 さっきまで冷たかった風さえ暖かく感じた。 恥ずかしさから私はずっと足元を見ていた。 「腹へらね?」 「…へった」 圭介は優しく笑うと私の手をひいて歩きだした。 ゆっくり‥ゆっくりと… 手を繋ぐ…今まで何とも思わなかった事なのにドキドキした。 嬉しくて…少し恥ずかしくて…幸せな気分。 それはきっと相手が圭介だから。 特別な人だから。
/487ページ

最初のコメントを投稿しよう!