第二章

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少しくたびれたメニューには沢山の料理が並んでいて私は散々迷った結果、圭介と一緒の焼き魚定食にした。 おばあさんは柔らかい笑顔をしながらカウンターの奥へ入って行った。 「真似すんなよー」 「あれが食べたかったの」 圭介と笑いあったあと煙草に火をつけた。 煙を吐き出しながら店内を見渡す。 入った時には気にも止めなかったが狭い店内を埋め尽くしているのはホストばかりだ。 高そうなスーツを身にまといブランドの時計をちらつかせながら定食を食べる姿は妙に違和感を感じる。 でも彼らからしても私達の方がこの店に浮いている存在なのかもしれない。 朝っぱらからサロンを巻いた男に泣きはらした目の女。 どう見ても可笑しな組合せだ。 まぁホスト達は食べるのに必死で私達の事なんて気にも止めてないが。
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