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マンションが見えてきた時、携帯が震えた。
'今日はすごく当たり!髪の毛好評だよ。ありがとう'
コンパの当たりがどぅいうものかはよく分からないけれど、順調らしい麻美さんの絵文字だらけのメールを見て顔が綻ぶ。
そして続きのメールを見て足が止まった。
'里沙ちゃんも来たら良かったのに…もしかして里沙ちゃん好きな人いるの?'
好きな人…いるよ。
忘れれない人がいる。
「里沙!」
突然の後ろからの大きな声。
空耳なんかじゃない。
忘れたくても忘れれない声。
体から離れない声。
信じられなかった。
こんな事ってあるんだろうかって。
「里沙」
今度はすぐ後ろで聞こえて私はゆっくり振り向いた。
「…圭介…」
空耳でも幻でもない。
そこには忘れることのできない愛しい人がいた。
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