第十二章

5/15
前へ
/487ページ
次へ
「…どぅして?」 「年明けぐらいかな?田宮さんって人が店に来たんだ。 …キャバクラのこと聞いたよ」 それは思いもしない言葉だった。 圭介から出たキャバクラという単語。 そっか…全部知られちゃったんだ。 あの夜、店長に圭介の店を教えていた。 でもなんで店長が? 圭介は何を思ってここに来たんだろう。 責めにきた? それは当然のことだね。 覚悟はできている。 でも圭介はすごく優しい顔をしていた。 「全部は聞いてないよ。ただ許してやって欲しいって…会いに行ってやってくれって…田宮さんそればっかりでさ。 あとは里沙に聞けって」 …店長。 なんで店長が圭介に伝えたか分かったよ。 これは店長がくれたラストチャンスだ。 圭介と向き合うこと。 そして自分自身と。
/487ページ

最初のコメントを投稿しよう!

113人が本棚に入れています
本棚に追加