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「…ごめんなさい。
私…圭介にずっと嘘ついてた…裏切って…」
フワッと香る圭介の香水。
その力強い腕、温もりに堪えていた涙が頬を伝った。
「正直戸惑ったんだ。田宮さんに聞いてからも会いに行くか迷ってた。
会って何を言えば言いのかって…」
私を抱く手に力が入るのが分かった。
そして小さく震えていることも。
「田宮さんに聞かれたんだ。'里沙を好きになった理由は?'って」
それは私も聞かれた言葉。
私は何故か答えれなかった。
「俺沢山あるはずなのにぴったりな言葉が出てこなかったんだ。」
圭介も?
驚いて顔を上げると彼は笑っていた。
「里沙と過ごす内にそんなの関係なくなったんだよ。
理由なんていらない。
どんな里沙でも俺は好きだ」
…私だってそうだ。
圭介が圭介でいるかぎり私はあなたが好き。
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