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あなたが産まれた
あの日。
大きな産声と一緒に
私も泣いたの。
あなたに
'生まれてきてくれて
ありがとう'
私に
'生きて来て良かった'
そう思ったんだ。
月並みだけどさ。
本当にそう思ったの。
小さな手で私の指を握る姿を見て決めたんだ。
何十年後、あなたが私から巣立ち手を離す日まで握り締めていようって。
気の早いママねって
みんな笑った。
でも離したのは
私の方だったね。
愛していたのに…
大切で大切でしかたなかったのに…
愛し方が分からなくなってあなたを傷つけた。
愛し方なんてないのに…
それに気づかなかった私はなんて愚かなんだろう。
今でも手に残る痛み。
でもそれ以上の痛みをあなたの心に負わしたんだ。
謝っても謝っても足りないの。
それ以外の言葉も見つからない。
クマさんまだ持っててくれたんだね。
かけっこ速くなったね。
サンタさんはプレゼント届けてくれたかな。
許されるならば、もっと近くであなたを見たい…
…話したい
…逢いたい
**A**
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