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ひたすら神経を集中させながらしばらく動いていると、まわりに違和感を感じた。
少しあたたまった身体を緊張させ、刀を握る。
背後で拍手の音が聞こえた。
後ろを振り向くと、長身な男が木に寄りかかっていた。
「お見事おみごと。さすがはアステリア最強の兵器だ。あともう少しといったところか。いや、だが…」あとの方は声が小さくて聞き取れなかった。
ぼそぼそ呟くこの男に、ラクタスは眉を寄せた。
「お前、誰だ?」
殺気は感じられなかったが、昨日の襲撃者と同じような服装をしている。
近付いてくる男に警戒して一定の間合いをとる。
「警戒してるね。
まぁ安心しなさいな。今この瞬間にお前をどうこうしようとは考えとらんからな。今日は、下見をしにきたのさ。」
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