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刀を見つめると、ぎゅっと握り締め、立てかけた。
─武器なしのシュミレーション、久しぶりにやるか。
気付いた時には既に組織にいた。
12のときに自分の指導にあたったのがゼルだ。
その時、ゼルはまだAクラスだったように思う。
自分には12歳以前の記憶が殆どと言っていいほどない。だから、頼れるのは自分と愛用の刀だけだった。
過去の自分が気にならなかった訳ではないが、そのことに捕らわれることはなかった。
自分は生きるために雇われている。
それだけで充分だ。
今があればそれでいい。
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