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その日から全てが始まった、男は息も絶え絶えになりながらも燃え盛る家、街、店等の建ち並ぶ坂道を走り、中心にある城を目指して走った
その男の特徴は髪が若干長、色は綺麗な黒髪、顔と目、鼻、口は綺麗に整った形をし、眼は淡い青色、身長は180センチぐらいと長身の爽やかなイメージをした青年だ
そして全速力で坂を駆け登った後に城に着き、急いで王室えと向かって見たものは
「なぜ……なぜこんなことに……」
燃え盛る城内で男が目にしたのは王と、女王が見るも無惨に息絶えた姿だった
「遅かった…っ!!…父上!…母上!……っく、どうして……こんなことにならなければいけなかったんだ……どうして……」
男は膝を着いて愕然とした面持ちで、嘆いた
「いったい、誰が何のためにこんなことをしたんだ?!、いったい誰が……」
そんな中突然天井を破壊して“何か”が現れた
ードガァァァンー
「?!!」
それは破壊した天井の瓦礫の中から現れた、四本の角を持ち、体や鱗はドス黒く、角や爪には鮮血と思わせるような赤い模様が走り、両手の肩には広げたら翼になるんだろうか鱗の様なものがまるで肩盾の様にビッシリとササクレの様にあり、眼までもが黒く、瞳は赤く禍々しい、いわゆる“ブラック・ドラゴン”だった
「貴様か…俺を呼んだ奴は?」
「呼んだ?、誰が貴様を呼んだと言うんだ化け物が!」
「クァーハッハッハ、活きの良い人間だぁ、呼んだではないか、その心が、魂が」
「なんだと?!」
「俺は破壊と絶望を司りし魔竜、貴様の名は何と言うのだ?」
「…オイ、中途半端なんだよ」
「何がだ?」
「そこまで言ったなら名前も言え!、それに名前を聞きたいなら先に名を名乗れ化け物!」
「……名前など無い……」
「なに?」
「名前がないと言ったのだ、貴様は耳が遠いのか?、ひ弱な泣き虫」
「なっ?!……貴様ぁー!!」
「まぁ待て、クク、俺は貴様と争いをしに来たのではない、……契約をしに来たのだ」
「契約だと?」
「俺はお前の父と母、そしてこの国の民を殺した奴等を知っている、……力が欲しいのだろう?」
竜が現れた理由は男との契約のため、男は黙り込み、しばらくした後、父と母の亡骸を見て口を開いた
「条件はなんだ?」
「クク、別に条件などは無い」
「信用できるのか?」
「信用するもしないも貴様の自由だ、さぁ、どうする?」
「……」
「……」
「わかった…しよう」
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