壱拾

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魁「えっと…、動きやすい服に着替えたりします。 僕はこの服(忍服)で大丈夫ですから。」 桜華さん、着物しか無いらしいけど大丈夫かな? 桜華「私はこれで十分ですよ。」 魁の心を読んだように言った桜華。 魁「後は…。」 考える魁。 何時もは急に『鬼ごっこするよ~。』と言われるから常にこの服で何も用意せずに始まるから服しか思いつかない。 ―カン、カカン 『!』 柱にクナイが3本刺さった。 魁「合図です!」 本能のように桜華の手を握り、屯所を出る。 山崎「土方さん。これで良いんやろ?」 忍服に着替えた山崎は屋根の上から廊下に居る煙管をふかした土方に聞いた。 土方「アァ。糞馬鹿共も桜華が居なくて後悔するし、部屋も捗るだろ。 噂も頼んだぞ。」 山崎「鬼さんは人遣い荒いなぁ。 任せとき。桜華は一人前の監察にするわ。 噂はコレを鬼さんの机に置いとけば良いやろ? そろそろ行くわ。邪魔せんといてな。」 土方の煙を頼りに紙を落とし、音も無く屯所を出た山崎。 はぁ? 紙を受け取った土方は馬鹿らしくなった。 ―私はもう、新撰組に居られません。 切腹されようと逃げます。桜華― でかでかと書かれた達筆な文字。 まぁ、コレなら良いか。 部屋に戻り、紙を置いてから桜華の部屋に向かった。
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