壱拾壱

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凄いな~。 桜華の凄さに慣れつつある山崎はただ、そう思っていた。 魁「僕のクナイ持ってきますから。待ってて下さい。」 そう言うと的へ走って行く魁。 ―タタタタ… どれだけ離れてるんだろ? なかなか帰って来ない魁に心配する桜華と『遅い』と顔に書いてあり、イライラしている山崎。 魁「ど、どうぞ…。」 手には厚手で大きな袋のクナイ。 山崎「遅いよ~。桜華、結構距離あるから思い切り投げな~。」 届かへんかなぁ?道場の幅と同じやからなぁ。 桜華なら届きそうやな。的のど真ん中にカツンとな… 桜華「うわぁ、意外と重いです…ね!」 勢い良く投げた。 クナイは真っ直ぐ的へ飛ぶ。 ―ヒュンッ、ドス 魁「…さすが…ですね。」 普通は『カツン』なんですけど…なんでドス何ですかね; 僕の見間違いじゃなければ的…に食い込んでますよね!?半分以上食い込んでますよね!? 投げた結果に半ばパニックの魁。 どんなに本気で投げても3分の1より少し多いぐらいだ。なのに半分以上。 山崎「桜華はん、腕触らせてもろうても?」 口調が仕事用に変わってしまっている。 桜華「良いですよ?」 山崎に近付き腕を伸ばした。魁も山崎同様、桜華の腕を触る。
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