壱拾弐

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桜華「来ますよ。皆さんは両脇に移動を。私が合図をしたら…斬って下さい。」ボソッ 全員が刀に手をかけ今にも抜刀出来る態勢をとる。 ―ギー ゆっくりと門が開く。音は小さく気を使っているのが伺える。 桜華「これはこれは、藪遅くに何のご用でしょうか?」 礼儀正しく聞く桜華。男達は呆然とした後、刀を抜く。 男1「新撰組を潰しに来たのさ。」 バカ丁寧に答えた男。下手な殺気を放つが桜華を含めて誰も臆しない。 『(桜華さんの殺気の方が数段怖い。)』 稽古の時、手合わせをした際に放った桜華の殺気。 怯えていた隊士の震えは必然と止まる。 桜華「死にたくない者は下がりなさい。刃向かう者は斬ります。」 そう言うと刀を抜く。白い刀身が敵に向く。 男1「新撰組を殺せ!」 『おー!』 門からなだれ込む男達。 桜華「不因子は全て消す!斬って斬って斬りまくれ!!」 『おー! 陰に隠れていた隊士と桜華は斬る。 ―ズシャッ 肉が断ち切れる音。 手に残る感触。 鼻を突く鉄の、血の臭い。 ―ドサッ ―キン 刀と刀がぶつかり合う高い音。 ―ズシャッ 魁「…桜華さん、綺麗だ……。」 遠くから見える桜華の姿。 命を刈り取る姿は美しかった。
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