壱拾弐

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―バタバタバタ 屯所を走る土方。それを追う一。 これほど焦っている土方は初めて見る。 一「土方さん!何故、焦っているのですか!」 土方「一、黙って付いて来い。」 間に合ってくれ!頼むから力を使うな…。 ―スパン 土方「桜華!」 桜華「土方さん?」 部屋には腹を刺された者を寝かせた布団を目の前に正座をしていた桜華。 土方「やったのか…?」 桜華の隣に座った土方。一は立ち尽くす。 何故、焦っている?土方さん、どうしてだ?桜華の両親が探している理由に関係があるのか? 桜華の右手には血の付いた懐刀が握られている。 力を使ったのだろう。桜華がやるのは分かるが、何故、止めた? 土方「クソ!一、山崎を呼んでこい!大至急だ!」 一「は、はい!」 土方の必死さに一は走る。 俺は馬鹿だ…。頼む…。山崎…。手遅れになる前に!早く来てくれ。 人に頼らないと決めたハズなのに頼ってばかりいる自分を責める。
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