壱拾参

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母「それは駄目よ。決まっている未来を壊しては駄目。あなたなら分かるわ。 いい?母様も同じ夢を見たわ。あなたは助かる。 父様と母様はあなたが生きてくれたら幸せなの。」 涙を流し言う母。 変えられるなら変えたい。けれど、夢見としてやってはいけない事。 父「大丈夫。父様も母様もお前の側にいる。」 幼い女の子には辛い現実。父も母も殺される事が分かって居るのに逃げられない。 母「あなたの力は強い、母様よりもよ。道を間違ってはダメよ。」 女の子はゆっくりと目を閉じた。 父と母の温もりを感じながら。 父「私は戦うよ。」 刀を手に言った父。 せめて、娘に道を示したいのだろう。 母「私も戦います。血が知っていますから…。」 そう言って布で大切にくるまれている物を持ち出した。 父「君もか…。何時頃だい?」 母「明日の夜。」 そう言う母の顔はなんとも悲しげだった。 愛する人達との別れが目前だから…。
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