4250人が本棚に入れています
本棚に追加
男「ハァ…ハァ…ハァ…。」
肩で息をする男。立っているのは男と母だけ。
母「ハァ……ハ!」
―ギン、ズシャッ
母が倒れた。女の子は泣き叫びたい思いをこらえて涙を流す。
男はフラフラとした足取りで女の子のいる押し入れへ向かう。
男「何故だ!?」
そう叫んだ男は押し入れに手をかけたのにも関わらず、急いで部屋を出ようとする。
男「グァ!」
―ドガッ
倒れた勢いで女の子の隠れている押し入れにぶつかり、戸が開かなくなる。
?「バカね…。」
嘲笑うような声。パチパチと木が燃える音と交わる。
?「今日から私が神主。この部屋が燃えたら消しましょう。
あ、可哀想だから油をかけて燃やしてあげましょう。」
女の子は男の重さで開かない戸から両親の姿を見る。
油をかけられた両親。血の臭い。
両親の焼ける臭い。
―ガダッ
戸が揺れてしまった。
?「あら。そこに何かいるわ。」
燃える部屋の中をまっすぐと歩き近付く。
最初のコメントを投稿しよう!