壱拾四

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華桜「どんな傷でも治せる。だがな、無条件でどんなモノも治せるわけじゃねぇ。 傷の深さによって桜華は血を流す量が増える。 そして、自分の傷だった場合には長期に渡って感じる痛みが瞬間的に全て。他人だった場合…血を大量に使う。自分を治療する以上にだ。そして、一気に増加する。激痛を伴って。 気が飛ぶ程の激痛だ。桜華はある程度は慣れたが、通常の人間なら気がふれ精神や肉体が限界に達し死ぬ。 以上。」 ―スパン 話し終わると同時に入ってきた土方。2人はホッと胸を撫で下ろした。 重苦しい話と空気から解放されたのだ。 土方「茶飲んだら寝ろ。」 湯呑みを差し出す土方。2人にも茶を渡す。 土方さんが淹れたお茶…。なんか怖いな…。 失礼な事を思いながらも茶をすする。 意外と美味い…。 華桜…。土方はんを顎で使うなんて…しかも、自分の調べた内容は表向きだったとはな。 山崎が知ったのは桜華の両親が殺され、母親の妹が神社を継いだと言うことだ。 華桜「そうする。」 茶を飲むと着替え始めた華桜。 『な…///』 土方は華桜が男だと知っているが2人は知らない為、顔を赤くして逸らす。 華桜「フッ…。俺は男だ。身体、見てみろよ。」 ―ゴンッ 羽織った着物を脱いで見せる華桜を土方は溜め息をついてぶった。 土方「止めろ。サッサと寝ろ。」 頭を押さえた桜華と対応に困った一と興味深々で見た山崎を見たがら言った。 土方はもの言いたげに華桜を見る。 華桜「んだよ…。身体の傷の事か?俺が桜華の代わりに受けた。俺の場合には何の力もねぇただの男だから、傷も治せねぇんだよ。 身体は傷付いたが桜華の心は傷付かなかった。 トシ、一、ススム…桜華を大切にしてくれて感謝する。居場所をくれてありがとう。コレからも頼む。」 そう言って布団に潜るとすぐ、寝息が聞こえてきた。 土方「まだ、誰にも話すな。 一お前の隊は、夜が明けるまで見回りをしてくれ。山崎は町で不穏な動きが無いか探れ。 山崎、明日は休みにする。桜華に潜入の話をしろ。」 土方を筆頭に部屋を出た3人は近藤の部屋へ戻った。 『入るな』の紙が貼ったままで…。
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