壱拾四

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?「ん…。」 暗闇の中3つの布団の真ん中から起き上がった。 私…確か治療を終えて、痛みで気絶して……。何で布団に寝ているの? 華桜。 〔反動で苦しんだ後、俺が出た。大丈夫だ…誰も傷つけていない。トシ達が押さえてくれた。〕 頭に響く華桜の声。 ホッと桜華は外に出ようと立ち上がった。 やっとの思いで立つと一歩踏み出そうとしたが急に力が抜けた。 桜華「あれ…?」 ―ドサッ 総司は物音に驚いて桜華の部屋を開けた。 総司「桜華さん!」 そこにはうつ伏せに倒れている桜華が居た。言葉を失うほど驚いた総司は慌てて桜華に駆け寄り抱き上げた。 桜華「すみません……、力が入らなくて…。何してたんですか?」 笑顔で言う桜華に総司は悲しそうな顔をした。 無理矢理笑ってる…。私みたいだ。表面だけ取り繕う為の笑顔の仮面をかぶった私みたい。中身を見せようとしない…。 総司「無理して笑わないで下さい。 私は月見をしていました。お酒は飲めますか?」 忘れてほしい…、今なら私しか居ない。私なら支えられる。 桜華「わかりません…。隣に座って良いですか?お願いします。側にいさせて下さい…。」 総司「お茶、持ってきますから少し寝て待ってて下さい。」 ゆっくりと桜華を仰向けに寝かせた総司は嬉しそうにしながら台所へ向かった。 頼ってもらえただけでこんなに嬉しいなんて…。
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