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総司「桜華さん、お待たせしてすみません。」
月明かりに照らされた桜華は総司を見て微笑んだ。
うっすらと汗をかいている。総司は酒の近くにお茶を置き、桜華を抱きかかえた。
桜華「焦らなくても逃げませんよ。すみません、力が入らなくて…。」
総司に抱きかかえられた桜華は総司に後ろから抱きつかれた形に縁側に座った。
総司「桜華さんを独り占め出来ますから、気にしないで下さい。」
そう言うと桜華の手に自分の手を重ね湯飲みを握らせた。
桜華「1人で持てますよ?」
実際は辛いが、総司に頼りきっているのが申し訳なく感じた。
総司「…。」
私に頼るのが嫌ですか?…聞きたい。でも、『嫌』と言われたら…。
怖くて聞けないのだ。人を斬るや強い奴と斬り合う事には恐怖を感じない総司だが、人…特に気に入っている人に嫌われる事にはとても敏感なのだ。
桜華「迷惑でないならこのままで良いですか?」
総司「迷惑なんて…嬉しいですよ。本当にね。団子食べますか?」
団子を手に聞く総司。桜華の口には湯飲みがついていて話せる状態ではない。
桜華の僅かな手の動きに合わせ自分の手を動かす。
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