壱拾五

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その言葉に期待を寄せる隊士達と疑問を抱く隊長達。朝方山崎を引きずって空いている手を山崎に蹴られた所に置き、歩いている総司を見た藤堂が総司に聞いた所『蹴られた。』と答えたのが広まったのだ。 機嫌が悪いハズなのになんで総司は笑ってんだ?今の発言に裏は無いし…。 藤堂は1人考えていた。 近藤や山南は微笑ましい光景を見ているようにニコニコしている。 桜華「山崎さん、お願いがあります。午前の稽古だけ出させて下さい。午後は総司さんにお願いしますから。」 私の仕事だからちゃんとやらないと…。 責任を果たすように桜華は山崎に言った。 山崎「駄目だよ。潜入は命の危険が高いんだよ?バレたら拷問をかけられ殺される。」 俺が死ななかったのは経験と実力があったから。魁を不本意ながらも助けた。新撰組の事を万が一話しては困るし、最悪殺さなくてはならない。 桜華「…すみません、なめてました。」 山崎「ご飯食べ終わったら俺の部屋においで~。もしかしたら午前の稽古は桜華次第だけど出られるかも~。」 桜華は顔を輝かせた。山崎の話を聞き、死ぬかもしれないと思い最後になるかもしれない稽古をしたかったのだ。 総司「山崎さん、桜華さんの事よろしくお願いします。」 立ち上がった総司は山崎を睨みながら言った。 山崎「鬱陶しいよ~。」 立ち上がり総司に目線をあわせて睨み返す山崎。 ―クスクスクス 桜華「山崎さんと総司さんは仲が良いんですね。 私は生きて帰って来ますよ。その為に山崎さんが1日がかりで教えてくれるんですから。」 2人の心情を知らない桜華は嬉しそうに笑いながら部屋を出て行った。
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