壱拾五

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桜華「あれ?魁さんどうしたのですか?」 ―ビクッ 部屋に戻ると隅に魁が正座していた。桜華が声をかけるとビクッとしたが、桜華とわかるとホッとした。 桜華「大丈夫ですか?」 取りあえず心配する桜華。魁に何かあったのだろうか。 魁「いえ…、すみません。本当は僕が行くはずなのに、桜華さんに行かせてしまって…。 それに…総司さん……怒ってませんでしたか?」 最初に桜華の目の前に座り土下座する。そして恐る恐る顔を上げて聞いた。 僕ってバレたかな?バレたら殺されるよ…。 ビクビクしながら待つ魁。ふと、桜華が前に座った。 桜華「総司さんは怒ってませんよ?それに、行くと決めたのは私です。魁さんのせいではありません。」 顔を上げると優しい顔で見つめる桜華がいた。魁は目が霞んで桜華の顔が見えなくなる。 桜華「帰って来ます。だから泣かないで下さい。」 竹刀を手に部屋を出て行く桜華。 桜華さんは強い…僕なんかよりずっと、ずっと強い。僕、隣に立ちたい。 桜華さんの隣に、肩を並べて立ちたい。 魁は涙をふき、立ち上がった。 桜華「山崎さん。」 山崎の部屋に着いた桜華は入室許可を得ようと声をかける。 山崎「いいよ~。」 部屋に入ると山崎が真剣な表情でクナイを眺めていた。
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