壱拾五

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桜華「お待たせしました。皆さん、稽古始めましょうか。」 道場では全員が桜華を待っていた。何処か悲しげな表情で。 桜華「全員1対1で戦いましょう。勿論、竹刀で。」 笑顔で言った桜華。まるで、自分が最後かもしれないと思いながら…。 『俺達からお願いします!桜華さん1人では歯が立ちませんので!』 零番隊隊士が言った。隊長の任はついていないハズなのに隊士は桜華を隊長として見ていた。 桜華「本気でかかってきて下さいね。」 竹刀を構えた桜華を囲うように移動した隊士達は竹刀を抜く。 『行きます!』 ―バシッ、バシッ ―ドサ、ドサッ 次々と隊士を凪払うように倒す桜華。白い髪が揺れる。道場に居る戦っていない隊士はそんな桜華を見続けた。胸に刻むように。 桜華「次!」 汗をかく桜華の頬は一筋の線をつくっていた。まるで泣いているように見える。 次々と隊士も隊長もやられ、総司と一だけが残った。 左之「やっぱ、桜華は強ぇ。」 新八「ああ、惨敗だ。」 平助「一ェ!桜華に一太刀入れてみろ!」 そう言われた一は桜華の正面に立ち、竹刀を構えた。 初めて桜華と対峙するな…。総司でないが、わくわくする気持ち分かるな。
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