壱拾五

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―バシッ 桜華は一の力に押された。 一さん、総司さんほど技量は無いかもしれない。でも、力がある。だけど…、私だって! ―バシッ、バシ、バシッ、 ―タン、タ、タン。 ―バシッ。 お互い譲らない猛攻。誰もが息を飲み、手に汗を握る。 私も、私も戦いたい。桜華さんと早く。 一「強いな。」 桜華「油断しましたね…。」 一が言葉を発した一瞬の隙を見逃さなかった桜華は竹刀を握り直し、2・3歩下がった。 ―ヒュッ 短く息を吐くのと違い、違う音がする呼吸。 ―バシッ 一「なっ!」 そこにいる桜華を除く全員が止まった。総司でさえ何があったのかわからなかった。 桜華「一さんの負けです。」 一の竹刀は道場の壁に突き刺さっていた。 総司「今のは!?今のはなんですか!?」 玩具を前にした子供のように桜華に聞く総司。一は竹刀を取りに行く。 他は固まっている。 桜華「…総司さんと戦う時にやりますよ。さぁ、竹刀を取って下さい。」 総司に竹刀を向ける桜華。 コレで最後。 総司「はい。」 桜華に竹刀を向ける総司。 一の竹刀は先が砕けていた。
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