壱拾五

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総司「行きますよ。」 竹刀を振り下ろす総司。速すぎて線のように見える竹刀を桜華はいとも簡単によけ、総司の空いている脇に竹刀を振るう。 総司「甘いですよ。」 桜華「わかってます。」 ―バシッ ―タン、タタン ―バシッ、バシ、バシッ 一とは違う技の戦い。桜華も総司も譲らない。 総司「そろそろ、アレお願いします。」 私が見切れなかった技。ワクワクします。早くきてください。 桜華「では…。」 ―ヒュッ また、あの呼吸だ。あの呼吸に秘密があるのか? 一は桜華だけを見る。総司はその振るわれる竹刀を見る。 桜華「総司さんの負けですね。」 来ると分かっていても無駄だった。総司の竹刀は一の竹刀が刺さっていた穴に入り、誰しもが見えなかった。 桜華「ありがとうございました。絶対に生きて帰って来ますから。」 道場を出た桜華は山崎の部屋へ向かった。
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