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―シュウー。
猫の傷口から白い煙りが立ち上がる。
動こうと必死だった総司でさえ止まった。
桜華「…どうです?私の血は生き物を治す力があるんです。
親は私を傷付け、血を妙薬として高値で売りました。」
猫は一の腕から離れ、桜華の足にすり寄る。
総司「止血!」
土方の手を振り切り、桜華に駆け寄る。
桜華「大丈夫です。」
腕を見せると血が固まり、傷が塞がっていた。
桜華「化け物…、物。私はそう呼ばれていました。
この名前は華桜がつけてくれました。」
〔俺はお前に名をあげた。
お前は俺に名をくれた。〕
私達は桜の華。
華やかに見え魅了する桜。
紅く咲くために人の血を吸う桜。
総司「…ださい。」
桜華「え?」
―ガバッ
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