5/8
前へ
/894ページ
次へ
―シュウー。 猫の傷口から白い煙りが立ち上がる。 動こうと必死だった総司でさえ止まった。 桜華「…どうです?私の血は生き物を治す力があるんです。 親は私を傷付け、血を妙薬として高値で売りました。」 猫は一の腕から離れ、桜華の足にすり寄る。 総司「止血!」 土方の手を振り切り、桜華に駆け寄る。 桜華「大丈夫です。」 腕を見せると血が固まり、傷が塞がっていた。 桜華「化け物…、物。私はそう呼ばれていました。 この名前は華桜がつけてくれました。」 〔俺はお前に名をあげた。 お前は俺に名をくれた。〕 私達は桜の華。 華やかに見え魅了する桜。 紅く咲くために人の血を吸う桜。 総司「…ださい。」 桜華「え?」 ―ガバッ
/894ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4254人が本棚に入れています
本棚に追加