参拾七

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一「…多いな。」 団子を手に言う一。 総司「まだまだありましたよ?勝手の隅に山済みに置かれてましたから。」 お茶を飲みながら答える総司。 2人は寝ている桜華の看病をしながらお茶を楽しんでいる。 新撰組2、3を争う2人はこうして屯所内でゆっくりと仲良く茶をするなど無かった。どちらかが師範や巡察に出ていたからだ。 総司「山崎さん、早く帰ってくるといいですね。 あ、お茶菓子はちゃんと断り入れましたし、桜華さんが誰でも食べられるようにって稔麿さんに言ってたらしいですよ。」 一「…そうか。」 残り1本となった団子に手を伸ばす。わりかし干し菓子が多いため、お茶は外せない。 ―ムクッ 突然起き上がった桜華に慌てて総司は茶を零しそうになる。 一は冷静にフラフラするであろう身体を支える。 華桜「…気持悪りぃ。総司、土方を呼んできてくれ。茶と冷たい水もな。」 素直に従う総司。幹部…特に総司や土方を顎で使う華桜はそれだけで平隊士から凄いと思われる。 華桜「さて…、一。」 切れ長の目も熱で潤み、凄みが減っている。 一「…話は聞く、横になれ。」 半強制的に華桜を寝かせた一はさり気なく左手を後ろに回す。
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