参拾七

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華桜「桜華に気持ちを伝えてくれて感謝する。」 夢の内容か愚痴を言われると思っていた一は驚く。 その反応が面白いのか頬を片側だけ吊り上げて笑う華桜だが、気分が悪くなったらしく青ざめる。 華桜「…明日、桜華との約束を守ってくれな…。 それとその指。すまない…そして、ありがとう。」 一「…桜華の為だ。」 照れたのか視線を外す一。華桜は今度は笑わず、開け放たれた外を見る。 土方「何の用だ。」 総司「早く入って下さいよ。はい、お茶。」 土方を肩で押しながら入ってきた総司は華桜の腰辺りに座り盆を置いた。 華桜は遠慮なく冷たいお茶を飲む。 華桜「ありがとな、総司。血なんだが明日までまってくれ。 …土方、若宮家の忍が来る。」 いきなりの言葉に驚く土方達だが、華桜は続けた。 華桜「何もしねぇよ…。ただ、若宮家に向かうように言われるだけだ。その時、幹部の腕の立つ奴2人と鉄之助を連れて行く。 土産は…腕の立つ奴ら数人だな。一緒に行った幹部と決めさせてもらう。」 若宮家は外部からの干渉を最低限にした名家。若宮を名乗る者は剣術や商いに富んだ才能を持っている。 こりゃあ、良いな。 連れてきた奴によっては保留にされていた桜華の総隊長任命も出来る。
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