参拾七

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山崎「まず、変態糞男色野郎で間違いないんやけどなぁ~。 何人も男囲んどったし稚児[チゴ]も居る。だから、ロリコンド変態糞男色野郎や。」 稚児とは幼い女の子を相手とするもので、男を囲う事も合わせると買う為大金が必要。 この時点でそれなりの富を持つものに絞られるが、土方は山崎の言葉に眉間を寄せた。 土方「『いた』だと…?」 山崎の言葉は過去を示していた。 他も気付いたのか真剣に聞く。 山崎「そや。そこには稚児は居るが男共は居らん。自分が確認した時に丁度出て来たのは…桂小太郎や。」 ―!! 山崎と華桜以外、驚きで目を見開くが土方と総司は嬉しそうに、一は無表情になる。 土方「つくづく桜華は良いモン引き寄せてくれるなァ。」 『戦姫』か…その名に恥じねぇ。 『戦』いを引き寄せ導く者、治める者 『姫』風魔の、新撰組の姫。 華桜「土方、桂小太郎を捕まえるのは稔麿を使うしかねぇ。 その『大和屋』は若宮家で動かさせてもらいてぇから中では斬り合いするなよ?」 山崎「自分、『大和屋』って言っとらんで?」 華桜「あぁ、だが俺は桜華に相談されたんだよ。『大和屋の旦那から文をもらった』ってな。俺も焦ったぜ?なんせ『君を鎖に繋ぎたい』だの随分気色悪い事書かれてたかんな。」 段々と目を鋭くさせ、殺気を出す華桜。刀が手元に無いだけマシだが、冷や汗が流れる面子。
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