参拾七

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「わ、若宮家!?」 汚ったねぇ! 唾を飛ばされた華桜は手が出そうになるが留め、懐紙で顔を拭いた。 華桜「でしたら、私の部屋で話しましょうか?ご主人と深い関係に(御免だが)なりたいですし。」 揺れていた心が一気に決まった主人。糞野郎は扱いやすいらしい。 主人「そうですね、桜華さんの事をもっと深く知りたいですし。」 華桜は胡桃に手を差し伸べた。胡桃は戸惑ったような顔をしたが、ゆっくりと華桜の手に合わせた。 華桜「胡桃は私が連れて行きます。ご主人は琴南さんの縁談を進めるとでも言って下さい。」 胡桃を抱きかかえて部屋を早足で出て行った華桜。 華桜「待たせたな。胡桃?」 土方達を見た瞬間震えだした胡桃を心配する華桜。土方達は華桜の連れて来た子供に目を丸くする。 「桜華さん、お待た…せ…。」 出て来た主人は華桜と話をしていた土方達を見て真っ青になった。 『どうも、話しよう(ぜ)。』 土方、一、稔麿が声を合わせて言った。 稔麿は待っている間、文を読んでいたのだ。 稔麿「この文、お前のだな?」 持っていた文を広げて見せた稔麿。主人は青から白に変わって行く。 華桜「早く行こうぜ。不細工と馬鹿が沢山いる屯所へ。」
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