4250人が本棚に入れています
本棚に追加
/894ページ
「わ、若宮家!?」
汚ったねぇ!
唾を飛ばされた華桜は手が出そうになるが留め、懐紙で顔を拭いた。
華桜「でしたら、私の部屋で話しましょうか?ご主人と深い関係に(御免だが)なりたいですし。」
揺れていた心が一気に決まった主人。糞野郎は扱いやすいらしい。
主人「そうですね、桜華さんの事をもっと深く知りたいですし。」
華桜は胡桃に手を差し伸べた。胡桃は戸惑ったような顔をしたが、ゆっくりと華桜の手に合わせた。
華桜「胡桃は私が連れて行きます。ご主人は琴南さんの縁談を進めるとでも言って下さい。」
胡桃を抱きかかえて部屋を早足で出て行った華桜。
華桜「待たせたな。胡桃?」
土方達を見た瞬間震えだした胡桃を心配する華桜。土方達は華桜の連れて来た子供に目を丸くする。
「桜華さん、お待た…せ…。」
出て来た主人は華桜と話をしていた土方達を見て真っ青になった。
『どうも、話しよう(ぜ)。』
土方、一、稔麿が声を合わせて言った。
稔麿は待っている間、文を読んでいたのだ。
稔麿「この文、お前のだな?」
持っていた文を広げて見せた稔麿。主人は青から白に変わって行く。
華桜「早く行こうぜ。不細工と馬鹿が沢山いる屯所へ。」
最初のコメントを投稿しよう!