参拾七

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胡桃「取っちゃ…や。」 はっきりと言った胡桃に華桜は驚いたが、嬉しそうに頭を撫でた。 胡桃「?」 撫でられた意味が分からない胡桃は首を傾げた。 華桜「いや、会話が出来て嬉しいんだよ。傷があるのか?」 胡桃「…痛いの。」 痛い…? 糞野郎が何かしたのか? 華桜「アイツにやられたのか?」 ビクッとなる胡桃。 こりゃあ、図星だな。 ヤベェ…ムカついてきた。どうすっかな…キレたら“髪、戻っちまう”よ…。 胡桃「あの人キライ。キライ…やだぁ。」 悲しそうに言う胡桃。主人に酷い事をされたのだろう。 普通は稚児となった子供は主を慕うのが当たり前となるが、胡桃は『キライ』としっかり言ったのだ。 華桜「俺が胡桃を嫌いになるのがか?」 胡桃「みんな痛い…胡桃、1人。」 みんなとは胡桃に関わった大人だろう。もしかしたら囲われていた男かもしれない。そして、胡桃は一人ぼっちだった。 華桜「…今日からお前は月夜[ツキヨ]だ。月夜、コレからは俺と桜華がずっと一緒だからな。糞野郎の所に戻らなくて良いぞ。」 胡桃に月夜と言う新しい名を与えた華桜。 『ずっと一緒』と言われ嬉しいそうに華桜に抱きつく月夜。
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