参拾八

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―スッ 月夜「ん…イヤぁ。」 ―ペチペチ、ペチペチペチ 月夜「怖い、来たぁ。」 隣で寝ている華桜の頬を叩いて起こそうとする月夜。 一「…怖い…。」 月夜に『怖い、来たぁ』と言われ若干ヘコむ一。華桜を盾にするようにし、起こそうとする月夜を見てすまなそうにその場に座って言った。 一「俺は起こすために来たのだが……止めておこう。 月夜と言ったな…、腹は空いてないか?」 突然の事に驚く月夜。極悪人が『腹は空いてないか?』と聞いてきたように思えるからだろう。 ―グ~ 腹の虫は素直だった。 華桜を見た瞬間『いい人』と感じた月夜は懐いたが、眉間にシワを寄せる土方と無表情の一は無条件で『怖い人』。 ニコニコと笑いながら裏がありそうな稔麿と総司も『怖い人』。 鉄之助に至っては見ていなかった(笑) 一「コレを…。」 脇に置いたお盆を華桜の近くに置く。2つお茶と山盛りの金平糖が皿に乗せられている。 一「……遠慮するな。他にもあるから好きなだけ食え。」 お茶を手に取り飲む一。 月夜はお盆と一を交互に見て迷っている。 一「大丈夫だ。」 おずおずと金平糖に手を伸ばす月夜。 ―パクッ 一「…そうか、美味いか。」 食べるとすぐに幸せそうに笑った月夜を見て一も少し笑った。 「一…?」
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