参拾八

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近藤「ほぅ、君が若宮家の忍か…。好きな食べ物は?」 キラキラした目で黒い忍装束の忍に言う。忍は呆れたように布で隠された口を動かした。 忍「何度言えば分かる、お前に言う義理は無いと。」 土方「近藤さん、いい加減にしてくれよ;;」 何度も繰り返されるこの下りに土方と山南はため息を吐く。 忍「壱琉様はこの様な所にお住まいなのか…。嘆かわ……。」 嘲笑うように言う忍。この言葉にはさすがの近藤や山南でさえカチンと来た。自分達の家と家族が馬鹿にされたのだから仕方がない。 だが、言い終わる前に障子に向かって膝を着き頭を下げた。 桜華「慎みなさい。」 入ってきたのは月夜を抱きかかえた桜華と一。 桜華「遅くなってすみません。 お前は私の住む家と家族を愚弄するのですか?答えなさい。」 忍「申し訳御座いません!ですが、この者が意味の無い質問を繰り返すのでつい。」 忍の答えに苦笑いする近藤達。それを見て桜華はため息を吐きながら空いている所へ座り、一も隣に座る。
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