参拾八

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再び頭を下げる忍。 桜華「近藤さん、何してるんですか;;」 座り、月夜を抱いたまま言う桜華。月夜は桜華から貰った金平糖を食べている。 近藤「いやぁ、つい。」 『つい』で事情を複雑にしないで下さいよ…。 そう思った桜華だが、忍を気にして留めた。 土方「桜華が来たんだ、用件を言ってもらおう。」 イライラしながら言った土方。忍は不服そうだが桜華に向かって言った。 忍「次の満月の夜、若宮家総定例会が行われます。総定例会に若宮本家当主壱琉様も出席なるさよう参りました。」 畏まった言い方をする忍。主に忠誠を誓い心身とも主に捧げた本来の忍。 桜華「分かりました。私と小姓、娘、新撰組の幹部等を同行させたいのですが…用意出来ますか?」 『娘』に近藤達と一、襖の奥で聞いていた者達が驚き過ぎて咳き込んだ。 忍「…私の一存では決めかねます。ですが、壱琉様の意見ならば必ず通ると思います。」 当主の決定は絶対。規則なのだ。 桜華「では、幹部を2人連れて行きます。あなたが実力、人柄を見て決めると良いでしょう。 ね?皆さん、コレなら公平ですよね。」 いきなりの指名に驚く忍だが、『皆さん』と言われた人達が居る襖を睨む。 土方は忍が睨んだ襖に近付き、勢い良く開いた。 ―バンッ ―ドサドサドサッ
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