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辻風「…壱琉様の話が終わったようだ。」
竹刀を交え、押し気味に言う辻風。意外にも耐え続けていた新八は息を切らしている。
新八「壱琉じゃねぇゼ?新撰組の戦姫…桜華だ。」
力任せに竹刀を押す新八。辻風は驚かず、2・3歩下がった。
辻風「お前、さっきの奴より強いが…弱い。」
矛盾した言葉。
実力では総司にも勝てる新八だが、総司や一は強いが新八には弱い部分がある。
新八「分かってるさ。」
睨み合う2人。会話は聴力の優れた者、この場では桜華しか聞こえない。
辻風「壱琉様に怪我を治してもらって…、弱い部分も分かっているなら何故、直さない?」
恩を受けても何故、返さないのか。弱い部分が斬り合いの場では命取りになることを知っていて何故、直そうとしないのか。
新八「お前に言う義理はねぇ!」
睨み合いを切ったのは新八だった。辻風はため息を吐いて正面から竹刀を打ち、新八の手からは竹刀が弾かれた。
辻風「お前は壱琉様の気持ちを少しも理解していない…。
次!」
平助「ノリ的に俺だよな~。」
新八と代わって辻風と向き合う平助。
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