参拾八

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辻風「報告し「待って、入って来なさい。」 桜華は辻風の言葉を遮り言った。辻風以外は桜華が何を言っているのか分からない。 ―スタッ 辻風の斜め後ろに降りたったのは忍。辻風と同じような服装から若宮家の忍である事が分かる。 忍「…お初にお目にかかります、“月”の朔夜[サクヤ]と申します。 若宮家は壱琉様の言葉を受け、満月の夜に当主様の客人として迎える用意をすると。 辻風様率いる“華”と共に来てほしいとのことです。」 辻風は口の布を取って『ピィー』っと口笛を吹く。すると朔夜の後ろに二列になって降り立った8人の忍が朔夜同様、音もなく現れた。 桜華「朔夜、あなたには一刻の休息を義務付けます。休息が終わり次第、番を連れて若宮家へ。 辻風、万が一がありますから屯所に、桜、金木犀で見張りを。巡察には梅が2班に分かれて付く事。桃と空木[ウヅキ]は若宮分家の動きの見張りと情報収集。残りは待機。 辻風、あなたは情報のまとめ役を。 分かりましたか?」 『御意。』 辻風率いる“華”は消え辻風と朔夜だけが残っり、周りは騒然となった。忍が現れた事に驚いたのもあるが、桜華の姿に驚いたのだ。 辻風「私が選ぶのは2名。」 真剣な表情で続ける辻風。朔夜は休息と言われても何もする事がない為、桜華を見ている。 桜華「辻風、出来るなら上から順番に言って下さい。 朔夜、あなたは私の部屋に行き敷いてある布団で仮眠を。案内は必要無いですね?」 膝を着け頭を下げたまま微動だにしない朔夜に言った。 朔夜「滅相もございません。休息ならば座ってい「寝なさい。」…御意。 失礼します。」 強制的に行かせた桜華は辻風に謝り、言うように言った。 辻風「一番は…。」
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