参拾九

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桜華「一!これなに?」 指差したのは金魚。初めて見る魚に桜華と月夜は目を輝かせる。 月夜「おしゃかな?」 「そうだよ、金魚って言うんだ。お嬢ちゃん、欲しいかい?」 優しそうな男が言った。店の主だろう。月夜はキラキラした目で男を見るが男は桜華を見ている。 山崎特製の黒髪のカツラは桜華だと分からないようになっている。 桜華「お代は…?」 財布を出しながら聞く桜華。月夜はもらった金魚を見て嬉しそうにしている。 「結構ですよ。宜しければ名前を教えてくれませんか?」 この話が聞こえていた土方、山崎、一はヌッと桜華の後ろに立つ。 桜華「一、金魚をもらったんです。」 月夜「おしゃかな!」 嬉しそうに抱きついて話す桜華と金魚の入った桶を嬉しそうに一に見せる月夜。 土方「いくらだ。」 不機嫌そうに言う土方。 山崎は一に毒づきながら土方と鉄之助と共に夫婦を演じる。
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