参拾九

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桜華「どうしたんですか?」 動かない全員に向けて呼びかけた桜華。 『桜華(さん・先生)!!』 一気に覚醒した面々は叫んだ。 桜華の姿に見惚れ、まるで神を見るように感じていた。 辻風「お顔を隠して下さい。」 そう言って昔の貴族が使っていたような顔を髪から全て隠す笠を差し出す。 桜華「百合班、守護をお願いします。」 「御意。」 辻風を抜く8人の忍の内、1人が返事を返した。 鉄之助と魁は荷物を馬に積み、他は1人ずつ私に挨拶をしてくれた。 日は傾き始め、時間が来た。 山南「桜華君、気をつけるんだよ。」 優しい山南さん。近藤さんは涙と鼻水を垂れ流し、汚い顔で泣きじゃくっている。 総司「桜華さん、早く帰ってきて下さいね。」 桜華「はい、行きましょうか。一、土方さん、左之助。」 辻風達は馬を連れ、私達を囲むように高そうな袴に刀を差して歩く。 女忍は影から警護するらしい。 私は囲まれて町を歩く。 髪が見ないお陰で私だと気付かないらしい。
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